BIOTECお知らせ
2025年3月末予定で、講談社エディトリアルより、歌集『未生』と題し、執行草舟が50代より詠みつづけてきた和歌5000首以上の中から、1400首余りを選集して約600ページに纏めた和歌集が刊行されます。劇的な執行の人生そのものの軌跡が、あらゆる和歌に歌われ、時と思い出が昇華された決定的な一冊となります。歌そのものについて、また青春時代の思い出から武士道、出会った人々、家族について、さらには芸術・思想に関する和歌も多く収められています。神社、仏閣から日本神話を謳った長歌なども収録、現代まれに見る多角的な和歌集となっています。
読者への導きとして、欄外にはその歌の詠まれた背景や歴史、執行の心の軌跡などが説明として書かれています。また、現代人に馴染みのない枕詞、古語などの補足説明も同ページ内で読むことができ、和歌を立体的に味わうための工夫が散りばめられていますので、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。歌集という枠内にとどまらないドラマチックな装丁で使われている写真は、写真家、画家の立原青(たちはらせい)氏による、流れゆく砂を写した作品です。執行いわく「火星」や、安部公房の『第四間氷期』を彷彿とさせる未来的なカットによって、唯一無二の装丁ともなっています。
章立て: 全1407首
序
第一章 歌の心 六十一首
第二章:思い出 五十七首
第三章:青春 四十九首
第四章:忠義 四十九首
第五章:出会い 百二十三首
第六章:三島由紀夫 二十三首
第七章:武士道 六十五首
第八章:家族 八十一首
第九章:亡き妻 九十二首
第十章:祖先 四十七首
第十一章:初心 十七首
第十二章:創業 七十一首
第十三章:宇宙・運命 二十八首
第十四章:思想 三十首
第十五章:芸術 四十四首
第十六章:憂国 五十二首
第十七章:霊場(神社・仏閣) 八十一首
第十八章:初国(建国と道臣命の忠義)五十一首
第十九章:歴史 二十七首
第二十章:憂国の芸術 四十八首
第二十一章:戸嶋靖昌 七十七首
第二十二章:安田靫彦 五十九首
第二十三章:月山貞利 五十一首
第二十四章:養常 六十一首
第二十五章:生死 六十三首
跋
「人間の生命とは、神話そのものではないか。生命の淵源こそが、神話なのだ。神話を仰ぎ見ること。それ以上の作歌の行はこの世にはない。すべての歌は、神話から紡ぎ出されている。神話から生まれた涙として、この地上に滴り落ちて来るに違いない。」
――― 執行草舟 歌集『未生』序より