日本菌学研究所に
ついて
この新工場は、あまりにもすばらしく私は声が出ない。私の想像を遙かに超えるすばらしいものである。だから、意見はない。
――執行草舟「創業を想う」より
平成29年11月、群馬にある藤岡工場に次いで、川崎市麻生区栗木に新たな本社工場が竣工しました。創業のロマンを受け継いだ新工場では、従来の製造方法を活かしながらも、抜本的に製造工程を見直し、菌食原液を濃縮する〈エバポレーター〉、その濃縮原液を結晶化する〈真空凍結乾燥機〉や新たな〈宇宙空間製造装置〉を導入。菌食・ミネラル食品のさらなる品質向上を図っています。
これらの機械を有効活用しながらも、少数精鋭の研究・製造部門の社員が一つ一つ手作業で菌を植え、資本主義の生産工程の原型である「マニュファクチュア」(工場制手工業)の姿勢を守り製品を製造しています。
川崎市麻生区栗木「かわさきマイコンシティ」内にある㈱日本菌学研究所。
「かわさきマイコンシティ」とは、川崎市がこれからの産業をリードし、将来の発展が最も期待されるソフト・通信・航空機器・精密機械製造などを中心に研究開発機構を集積した創造発信都市です。
「芸術」と「仕事」の一体
工場内部の特徴として、館内随所に美術作品を展示しており、工場見学の折には、美術品を鑑賞しながら過ごして頂けるようになっています。それは創業オーナー社長である執行草舟の「芸術」と「仕事」の一体化が真の健康を生み出すという姿勢の表われと言えます。
ブロンズのレリーフ〈ノアの箱舟からの出立〉(1932年制作)と題された作品が、㈱日本菌学研究所のエントランスホール二階部分に掲げられています。イタリアを代表する彫刻家ぺリクレ・ファッツィーニ 19歳のときの作品で、聖書のノアの箱舟伝説の一シーンを描いたこのレリーフによってファッツィーニは有名になります。神の怒りによる大洪水が引いた後、箱舟に乗り難を逃れたノアとその家族また動物たちが、新たな出発の一歩を踏み出し、希望に満ちて地上へ降り立つ様子が表現されています。この新工場が竣工した新たな出発の時に、執行草舟コレクションに加わった運命的な作品です。ファッツィーニは他に、ローマ法王庁 ヴァチカン宮殿・謁見の間に設置された「復活」という巨大な作品を制作していることでも知られています。
工場内を見学しながら、芸術作品と至るところで出会うことのできる、異なる空間が調和して共存し新たな発想を生み出す創造的な工場となっています。事前予約制で、お客様に工場見学して頂けます。社員によるご説明なども随時行っております。