菌の物語
漢方薬は「やさしい」とか「弱い」イメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。漢方は実は強いものも弱いものもあり、「上品」「中品」「下品」の三つに分けられるのです。その仕分けはいくら摂っても問題ないものが「上品」、期間や作り方を限定して食べれば何の毒性もないものが「中品」、副作用のある治療薬が「下品」に分けられます。また漢方医は薬を処方するときに、その人の顔相や身体の様子を見て判断しているのですが、個々のもつ内臓の様子がすべて顔に表われているとされ、そのときに腸や腸内細菌の状態も含めて診ているとも言われています。
また漢方薬はそのままでは薬効を発揮することはできません。それは漢方薬が「配糖体」という構造をしているからです。「配糖体」とは読んで字のごとく、糖を配している形です。
この糖の部分を腸内細菌が食べてくれることによってやっと薬効成分が力を発揮できるようになります。つまり、漢方薬の種類によってその糖を食べられる腸内細菌の種類も違ってきます。腸内細菌が元気でないと、漢方薬は効きにくいともいえます。
また漢方薬は食前、食間に服用するように言われる理由も元気な腸内細菌に糖の部分を食べてもらうためです。食中、食後に服用してしまうと腸内細菌が食物の方の分解、消化などに使われてしまうので、薬の効きが悪くなってしまうからです。
腸内細菌が元気で体質と合っていれば漢方薬は良く効くでしょう。