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『ラーラ―愛と死の狭間に』(法政大学出版社刊)と題し、スペイン最初のジャーナリスト、マリアーノ・ホセ・デ・ラーラ(1809-1837)の生涯と作品を日本で初めて紹介する独自編集・初訳本が2023年4月上旬に刊行されます。執行草舟によるまえがき、推薦付、安倍三﨑による翻訳。
スペイン最初のジャーナリストともいわれる急進的自由主義者ラーラ(1809–1837)。ウナムーノを始めとする憂国の哲学・思想を形成した知識人たちにとって象徴的存在として大きな影響を与えたラーラは、フランス革命・ナポレオン軍による侵略を受けた戦火のスペインに生まれます。
既成概念の崩壊していく激動のスペイン国家をより良くしようと、政治、文化、メンタリティの遅れを激烈な風刺で批判、国民を啓発しようとペンの剣で戦います。その後、政権争いに巻き込まれ、不倫の恋にも破れ、27歳でピストル自殺、のちのスペイン文学を決定づけます。
ラーラの目指すもの、そしてその影響下にいるスペインの哲学者たちの目指すものは「霊性文明」に限りなく近い。だからこそ、スペイン哲学が未来への懸橋と成りうるのだ。―― 執行草舟
【目次】
訳者にかわって【執行草舟】
◆ 第一章:ラーラとは――—生涯と作品 フアン・ルイス・アルボルグによる解説(初訳)
◆ 第二章:ジャーナリズム―――記事セレクション
明日またどうぞ/間違った早婚/カフェ/古き良きスペイン人/マドリッドの生活/新しい食堂/スペインの修道院/闘牛
◆ 第三章:ロマン主義のあらわれ―――戯曲『マシーアス』四幕構成の韻文歴史劇
詩人から詩人へ 若き文学者ラーラの不幸を偲んで ホセ・ソリーリャによる詩