菌の物語

第4巻
第5話味噌にまつわることわざ

日本人が食してきた代表的な発酵食品と聞かれて、すぐさま味噌を思い浮かべる方は多いはずです。歴史的に味噌は各家庭で自家製され、日本食を代表する保存食として長きに亘って私たちの食生活を支えてきました。

その効能は、
● 良質なアミノ酸(タンパク質)が豊富である。
● 原料の大豆にリノール酸、レシチン、ビタミンEが豊富で、血管や細胞の老化防止に働く
  ため、頭がぼけにくい。
● 乳酸菌の働きで、胃腸をきれいにしてくれる。
● 消化器系のガン防止に役立つといわれている。
  等、様々です。

 

健康にも役立ち、古くから日本人に愛されてきた味噌にまつわることわざが沢山残っているのを、皆さんはご存じですか。今回は多くの中からいくつかをご紹介します。


● 味噌の医者殺し
 ⇒味噌は健康に良いので、医者にかからずにすむ、の意。
● 五割の金を借りても味噌を作れ
 ⇒昔から味噌が日本人にとっていかに重要だったかが分かります。
● 味噌に入れた塩はよそへは行かぬ
 ⇒他人のためにすることが、結局巡って自分のためになる、の意。
● 味噌買う家は蔵が建たぬ
 ⇒浪費せず、味噌を家で作れ、の意。
● 手前味噌を並べる
 ⇒手前味噌…自分で作った味噌、転じて自慢話、の意。

いかがでしょうか。味噌は私たちの生活に溶け込み、祖先が大切にしていた発酵食品でした。味噌を食す時に、そんな脈々と過去から受け継がれてきていることに思いを馳せてみても良いかもしれません。