菌の物語

第1巻
第5話ブルガリア美人は発酵からつくられる

「美人が多い国」で常にトップを占めるブルガリア。ブルガリアと言えば「ヨーグルト」。整腸作用、肥満予防、ビタミン補給、造血作用、免疫力アップなど、女性にうれしい健康美容効果がたっぷり詰まった発酵食品です。これらは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の働きによってもたらされるものです。ヨーグルトを含めた発酵乳の歴史はとても古く、現存する資料によれば紀元前1万年前にメソポタミア地方(現在のイラクの一部)などで牛や羊を家畜化していたと言われています。乳を搾った容器の中で乳酸菌が自然増殖したことで、いまのヨーグルトに近いものができたのです。

驚くべきはブルガリア人のヨーグルト消費量。一人あたり年間でなんと平均30㎏~50kgも食べると言われています。日本人の年間の米の消費量が年平均50㎏程度ですから、相当な量を食べていることになります。ちなみに日本人のヨーグルト消費量は約7㎏。ヨーグルトはそのまま食べたり、いろいろな料理にも使うのがブルガリア流。サラダにかけたり、冷たいスープ「タラトル」にしたり、食べるだけでなく、ヨーグルトでパックしたりもするそうです。

しかしながら日本人がブルガリア人と同じように沢山のヨーグルトを食べるとどうなるでしょう。乳製品に関しては「乳糖不耐症」の問題があります。乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖を分解できない体質のこと。牛乳を飲むとお腹を壊しやすい人がいるのはそのためです。

日本人を含む大部分の黄色人種とアフリカ系の人、そして白人でも地中海沿岸の人々の7~9割は乳糖不耐症とされています。これに対し、北欧や西欧の白人にはこの症状を持つ人は1割ほどしかいません。「体質」は遺伝的要因と環境的要因によってできており、人種や生活環境が違えば、それは異なります。日本人なら味噌やぬか漬け、納豆など、その地域に合った質の良い発酵食品をたっぷりととることが、美容にも、健康長寿にも影響するのです。これを「身土不二」と言います。ちなみに弊社の主な菌食は日本で伝統的に食されてきた「シイタケ」からできています。体に合った発酵食品を無理なく摂取しましょう。