メガヘルス通信
先週、9月21日は中秋の名月でしたね。皆様はお月見を楽しまれましたか?我が家の息子は、月の兎をモチーフにした工作をしました。
その月のうさぎのイメージは、インドの仏話『シャータカ神話』に由来しており、『今昔物語集』にもある逸話から来ています。あらすじはこうです。山に住む三匹の獣が空腹の老人を助けようとしたとき、食べ物を得る特技の無い兎は「私の体を食べてください」と火の中に飛び込み、焼け死にました。実は神の化身であったこの老人は兎を憐れみ、その自己犠牲の精神を人間に伝えるために月に兎の姿を写し取ったのでした。
自己犠牲とは言いますが、この話は憐れで可哀想なだけの話ではありません。この兎はそもそも他者のために身を捨てて良いことをしたいと修行に励んでいた兎だったので、死して本懐を遂げたという話なのです。自分の命よりも自分の信じる信念や目的を果たすことにより重きを置く生き方というのは、当人にとっては困難の先に喜びがあるものなのではないかと思います。武士道にも通ずる精神ですね。