Vol.56 産褥期アレコレ~赤ちゃん返り~ | BIOTEC公式ホームページ Vol.56 産褥期アレコレ~赤ちゃん返り~ – BIOTEC公式ホームページ

メガヘルス通信

2021/09/07Vol.56 産褥期アレコレ~赤ちゃん返り~

息子1歳4ヶ月。散歩の途中で水遊びが始まることも。

 前回は産褥期の本当のところをお話ししましたが、私が今回の産褥期で一番困ったことは、上の子の「赤ちゃん返り」問題でした。
 「赤ちゃん返り」とは、幼少期の子供が、きょうだいが生まれることなどをきっかけにして不満や不安が溜まったときに赤ちゃんのような行動をすることを指します。赤ちゃんのような行動とは、そのまま赤ちゃんの真似をしたり、今まで出来ていたことが突然出来なくなったり、極度のわがままを言ったり、きょうだいをいじめるなど、精神的に不安定な状態になることで、子供によってその表現の仕方は様々です。そのような行動をすることによって、親の注意を自分に向けたいという深層心理の表れなのでしょうね。時期としては、自分の周りの関係を理解し出す2歳頃から5歳頃までの子供に起こることが多いと言われています。
 
 我が家の長男は妹が生まれるときに1歳半だったので、赤ちゃん返りが起こらない可能性もある年齢でしたが、私は念のため言い聞かせを行っていました。妊娠中から「お母さんのお腹の中に赤ちゃんが居る」、「赤ちゃんは家族の一員」、「赤ちゃんはお母さんが病院で産んで連れて帰ってくる」という内容です。長男は妹が生まれる前から私のお腹を撫で、お腹に話しかけ、楽しみにしている様子でした。
 そうして、出産までのカウントダウンの間、「お母さんが病院に居る間は会えない」ということも何度も何度も伝えました。今はコロナ対策で、実子であろうとも病院に面会に行くことが出来ないのです。何日も母親と離れるなんて、長男にとっては初めてのこと。私としても長男が我慢できるのか不安がありました。そのことによって赤ちゃん返りが起こっても不思議では無いと思っていたのです。
 しかし、実際に入院してみると、長男はよく我慢して頑張りました。父親と二人の生活で、泣くこともぐずることもなく、私が退院する日まで元気に過ごしました。その様子を聞いて、逆に私の方が拍子抜けしてしまっていたほどです。
 
 ところが、私が退院して家に帰り、息子と久しぶりに対面すると、息子は大声で泣きながら走って逃げてしまったのです!抱きついてくるかと思っていた私は、全く予想外の展開にびっくりしました。どうやら、言い聞かされて聞き分けて我慢していたものが、母親の顔を見た途端に緩んで一気に溢れ出てしまったようです。
 そうして、その後二日間は不安定な様子で過ごし、ついに二日目に「赤ちゃん返り」は起こりました。家の中で私の顔を見るだけで泣きながら逃げる、触ろうとしようものなら大号泣で絶対拒否。追えば追うほど、手の付けようがないほどの大暴れです。私も同じ家に居ながら我が子からそんなにも拒否され、非常に悲しい気持ちになり、涙が流れました。
 そこで、これはおかしいと思い、調べてみると、これも赤ちゃん返りのよくある出方の一つだったのです。息子はすでに妹のことが大好きで可愛がっているので、妹をいじめたりする方には出ずに、親に激しく反抗することでやり場のない気持ちをぶつけていたのです。
 
 それがわかり、私は一念発起しました。翌日から、産前に毎日行っていた息子との散歩を再開したのです。本当は産褥期なので外に出てはいけない体ですが、私の場合はラッキーなことに産後の回復が常軌を逸するほど良かったので、無理を感じることなく散歩を再開することが出来ました。こうして産前と同じ習慣で息子と関わったところ、たちまち赤ちゃん返りが治ったから子供はわかりやすいですね。
 この赤ちゃん返りというものは、親との信頼関係が出来ている子ほど出やすいのだそうです。つまり、「この人になら不満をぶつけても受け止めてくれるだろう」という深層心理に根付いているのです。ですから、赤ちゃん返りが出たときは、私がそうであったように周りの人は悲しくなったり困惑したりすると思うのですが、むしろ信頼関係の証だと思って前向きに受け止めたいものです。何らかの形で「きょうだいが生まれようが何をしようが、自分と親との関係は変わらないのだ」ということを本人が納得しさえすれば、必ず赤ちゃん返りは治るのですから。

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