メガヘルス通信
先週は子供の「赤ちゃん返り」についてお話ししました。そこで頂いた質問があります。
質問「上の子が赤ちゃん返りをしても下の子のお世話に忙しく、構ってあげられません。二人の時間なんてとてもじゃないけど作れません。しばらく赤ちゃん返りが出たまま放置したらどうなるのでしょうか?」
この質問を頂いて、「確かに・・・」と思いました。自分では何も出来ない乳児を抱えたお母さんが、しかもワンオペ(ワンマン・オペレーションの略で、多大な仕事量をたった一人で処理しなければいけない状態の人を指して使う言葉。子育て現場でよく使われる。)だったりしたら、上の子だけに割く時間を作れないご家庭は多いでしょう。
しかし、単なる放置は絶対にダメです!赤ちゃん返りは子供からの「SOS」のサインです。あなたが誰かに助けを求めたとき、無視されたらどう思いますか?とても傷ついて、その人のことを信頼する気持ちが消えますよね。親子間でも、同じことが起こってしまいます。赤ちゃん返りに親からの反応を貰えなかった子供は、思春期頃までに親への信頼感が低迷し、親子関係に問題が生じることがわかっています。
では、限られた時間の中でどうするかです。要は、子供が「お母さん(お父さん)はこれまでと同様に自分のことを大切にしてくれている」と理解できる方法なら、長い時間を割くことでなくても良いのです。
例えば我が家では、「赤ちゃんが泣いているよ、ミルクをあげても良いかな?」など、赤ちゃんのお世話をしていいか、息子に逐一訊いています。まずNOと言われることはないのですが、たまに許可が出ないときは、3分くらいあけてからまた訊きます。こうすることで、自分の意見が尊重されているという自覚が生まれるのです。赤ちゃんは泣くのが仕事ですから、多少泣き続けていても何も問題はありません。「ふぇふぇ…」と言い始めてから30分以内くらいで対応すれば大丈夫なので、お母さんも気負いすぎないようにしたいですね。
それから、赤ちゃんのお世話をするときには、その一部を積極的にお兄ちゃんに頼んでいます。ミルクを赤ちゃんの横まで届ける、赤ちゃんのゲップ出しのトントンを一緒にする、赤ちゃんのお散歩のベビーカーを一緒に押して貰う、などです。このときに重要なのは、お手伝いを言葉に出して依頼して、やってくれたら(もちろん親が手伝います)十分に感謝を伝えることです。それも「すごい!えらい!」ではなく、「とても助かった、ありがとう」という言い方が良いでしょう。大切な人の役に立っている実感、感謝される喜びは、必ず信頼関係を深めます。
時間を掛けることも愛情表現の一つですが、時間を掛けることだけが愛情ではありません。小さなことでも良いので「SOS」へのお返事を積み重ねていきましょう。