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メガヘルス通信

2020/11/02Vol.30 赤ちゃんの冬支度

 

1月に生後1ヶ月の息子が中厚手の長袖ロンパース(上着無し)を着てお散歩したときの一コマ。
極寒だったので、外では厚手のおくるみを胴体の上に置いて風除けに。

 最近、冬の足音を感じられるほど空気が冷たくなってきましたね。ここから一ヶ月ほどかけてもう一段冷え込んでくると、いよいよ冬に突入です。こういう時期は体調を崩しやすいものですので、皆様にはぜひご自愛を頂ければと願っております。
 
 さて、今回は赤ちゃんの冬支度についてお話ししたいと思います。ポイントは四つ。①室温、②部屋着、③外出着、④寝間着です。特に、これから冬の時期に初めて赤ちゃんを産むご予定のある妊婦さんやそのご家族にもご参考になれば幸いです。この話題はネットや本などを見ても実体験を踏まえた形では意外と載っていないので、私が一年前~産後にかなり調べたり専門家に訊いたりして自分なりにまとめた内容です。
 室温についてですが、これは新生児の赤ちゃんを念頭に置くのか、小さい幼児(1歳前後)を念頭に置くのかで少し違います。一般には温度20~26℃、湿度50~60%程度が赤ちゃんの過ごしやすい温湿度だと言われていますが、その中でも新生児に近い乳児であるほど高めの温湿度、幼児に近ければ低めの温湿度を狙っていくと外れにくいと思われます。これは、生後間もなければ間もないほど、体温を自力で調節する機能と肌のバリア機能が弱いために冷えやすく肌が乾燥しやすいからで、新生児に適した温湿度は大人がほんの少し蒸し暑いかなと感じるくらいです。ちなみに、生後1ヶ月の2月上旬に私が小児科医から寝室の室温は何度かと訊かれて26度だと答えたところ、「それでは新生児には寒いかもしれない」と指摘されたこともあったくらいなので、赤ちゃんの首や背中を触って少しひんやりしていると感じるようであれば赤ちゃんの個性に合わせて一般の目安よりも高い温度に調整した方が良い場合もあると思います。幼児に近づくにつれて体温調節機能や肌のバリア機能も上がってきますから、大人が快適に感じる温湿度に赤ちゃんのそれも近づいてくるでしょう。なお、エアコンやサーキュレーター等を用いて室温を管理する場合、赤ちゃんに直風が当たらないように気をつけてください。
 部屋着についてですが、赤ちゃんは小さい動きでも大人より汗をかきやすいので、厚着にさせすぎないように注意しましょう。室温を管理している場合には、薄手~中厚手の長袖長ズボンがお薦めです。家の作りや設備の都合で室温管理が十分に出来ない、肌寒い部屋の場合には厚手の服でも良いと思いますが、赤ちゃんが首や背中に常に汗をかいている状態は暑すぎるということなので、そうなっていないかチェックしてあげると良いと思います。そしてこれも重要なことなのですが、自宅ではミトンや靴下を着用させることは極力控えましょう。赤ちゃんは手や足の感覚から温度だけでなく触覚などの重要な情報をインプットし、学習しています。ミトンや靴下を日常的に着けていると、その感覚機能の発達が阻害されるということがわかっており、医療関係者は発達を重視する観点からひっかき傷防止のためにミトンをはめることさえも控えるように注意する場合が多いのです。
 外出着についてですが、私が住む東京程度の寒さであれば、服そのものをモコモコにしすぎるのはお薦めしません。冬の寒さが厳しくなってくると、心配のあまり赤ちゃんに驚くべき分厚さのコートや埋もれるほどモコモコのロンパースを着せて外出するお母さんをよく見かけるのですが、実はそれは逆効果になりかねないのです。部屋着についてでも書きましたが、赤ちゃんは汗っかきです。モコモコの服を着て外出すると、服の中は赤ちゃんが汗をかくほど暑くなる場合があります。汗をかくと、何かの拍子で外気が流入したときに服にしみた水分が一気に冷え、赤ちゃんの体を冷やします。外出着は中厚手程度のロンパースに上着やおくるみで追加の暖を取り、赤ちゃんの様子や環境の変化に合わせて脱ぎ着させることで調節すると良いでしょう。私はベビーカーにブランケットホルダーをつけて赤ちゃんの体にブランケットを掛けていますが、これでも風が当たることによる寒さはかなり防げます。手先は短時間の外出であればできれば覆わないか、覆うにしても薄手のもので赤ちゃんの感覚を奪わないように留意すると良いですね。外出時の靴下は、薄手であれば埃除けの意味でも履いても良いと思います。赤ちゃんは体温調節が苦手なので寒いところへ行けば手足は当然冷えますが、体温調節を司る胴体を守ってあるなら、室内へ戻れば末端の温度は戻りますから心配しすぎないでください。
 寝間着についてですが、赤ちゃんの寝相や性格に合わせて考えましょう。また、室温の調整がきくのかどうかにもよります。室温を赤ちゃんの快適な温度に調整できている場合、首座りや寝返り習得前の赤ちゃんはそれほど布団を剥ぎませんから、薄手の寝間着に布団やブランケットを掛けておくと良いでしょう。また、布団を掛けられるのを嫌うタイプの赤ちゃん(うちの息子がそうです)や寝返り習得後で寝相が豪快な赤ちゃんには中厚手の長袖長ズボンの寝間着を着せると安心です。布団を剥いだとしてもその室温で体が冷えすぎることはまず無いと思いますので、剥がれた布団は戻さなくて大丈夫。ただし、肌着一枚で寝かせるなどの「薄着未満」は時間をかけて体を冷やしますから、避けましょう。室温が調節しきれず肌寒い部屋に寝かせる場合は布団が剥がれた時のことが心配ですから、中厚手の長袖長ズボンの寝間着にスリーパーという布団と違って剥がされない服のようなものを重ねて着せると安心です。私は室温調節をしていますが、息子が掛け布団を断固拒否するので、中厚手の寝間着が洗濯中の場合は薄手の寝間着にスリーパーを重ねる時もあります。(下の写真)
 
 今回は具体的な内容を漏らさず書きたかったので文字数が増えてしまいました。最後までお読み頂き、ありがとうございました。色々と書きましたが赤ちゃんやご家庭によって事情も違いますから、この記事を参考にしつつも囚われないで、赤ちゃんごとにベストな冬支度を整えて頂きたいと願っております。

 

生後9ヶ月、寝間着の上からスリーパーを着けて寝る息子。
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