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2025.02.15

友だちの家はここ

NHKスペシャルシリーズの『超・進化論』という番組が2022年末から放映されました。当社社長執行草舟は、一歩も二歩も踏み込んだ内容の「新しい息吹を与える力がある」科学番組として、ネット版「見よ銀幕に」(映画や映像番組に草舟独自の私見を呈するサイト)で紹介しています。

この番組でも解明されたように、驚くべきは、植物や昆虫、微生物も人間でいうところの「会話」をし、たがいにネットワークを築いている点です。想像をはるかに超えた、人間には見えない、聞こえない世界で彼らは有機連関し、共生しているのです。そもそも私たちの住む地球ということで考えると、面積は限られ、空気や水、大地の割合も決まっており、全員が生き残るための蓄えは限られているわけです。

さも人間だけが社会やこの世の掟を創り上げているように見えますが、微細な世界へ近づくほど、多種多様な虫、微生物らが細やかな網を張り巡らせて、地球上の世界を育んでいる。彼らは競い合いというよりも、「宇宙の力」を発揮するために互いに導き合っている印象です。

 

 

例えばフランスの哲学者アンリ・ベルクソンは、生の本質は「持続」にあるとして、「創造的進化」という言葉で思索していますが、まさに、「宇宙の力」が持続するための「生による生自身の創造の努力」(『ベルクソン哲学の遺言』前田英樹著、講談社刊)が続けられているわけです。

 

ということは、執行草舟いわく、宇宙の力はどこにでも宿る可能性がある。そもそも人間存在も「進化論」によれば、遥か太古に水の中から陸上へと上がったときに、微生物との共生によって陸の食べ物を摂り入れることができるようになって初めて、陸上生物となったのです。この点も『超・進化論』の番組内で触れられていましたが、微生物の選択によって宿り家が決まるだけで、決して我々が選べることではありません。我々の体内に菌が住みついていてくれる限りは、人生というごく短い時間に「燃焼」すべく、人間は生かされているのです。